
さようなら、船の科学館③ からの続き。
展望台にやってきました。お台場合衆国のあった場所も今はすっかり更地に。
(バスが数台止まっている駐車場の左隣)
船の科学館の周辺の移り変わり。上は昭和60年(1985)頃だったかな?(注釈失念)
下は平成16年(2004)頃。(だったかな?)
宗谷と羊蹄丸。模型みたい。
東京湾アクアライン換気施設「風の塔」が見えました。
ゆりかもめ。
建設中の東京ゲートブリッジも見えました。今年度中に開通予定とか。
開通前にウォーキング・イベントやって欲しいな。
さて、かなり時間も押してきました。12時過ぎから本館の見学を始めて、ただいまの時刻は
16:20。いよいよこれから宗谷の見学です。でも見学は17時まで。羊蹄丸まで回れるかなぁ。
宗谷の機関士長室。重要な職務に就いているだけに、限られた船内の中でもそれなりに
広い空間を与えられていますね。
こちらは食堂。
船内は天井が低いので移動するときは頭上に注意です。
こちらは一般船員さんの寝室。やっぱり寝台が狭いですね。
4人の相部屋だそうです。
この下にタロ、ジロの犬小屋があったそうです。
こちらは医務室。
ここはnさんの専門分野、通信室。
最後は操舵室でございます。
これはレーダー。
さて、16:38。 閉館時刻が迫ってくる中、いよいよ羊蹄丸に潜入です。
青函連絡船が廃止されて、早24年。一度は乗ってみたかったなぁ。
羊蹄丸のスクリュープロペラ。羽の角度を変えられるそうです。
船内では飾り毛布作製の実演が行われていました。
見事ですねぇ。こんなのが寝台に置いてあったら、崩すのもったいなくて使えないかも。(笑)
青森港に保存・展示してある八甲田丸は、極力現役当時の姿で保存されていますが、
羊蹄丸はちょっと違った趣向で保存されているんですね。船内は改造されて、往年の
青森駅が再現されています。
朝市の様子。元気な青森弁が響き渡っていました。
これは駅の売店の様子。帽子姿のおじさんは人形。隣の2人組みの男女は本物(見物客)
ですよ。(笑)
これは改札付近かな。
出札所とは切符売り場のこと。
船乗り場。
青森発上野行きの急行津軽。
車内の様子。
疲れちゃった人。青森港の食堂かな?
青函連絡船の青森~函館間は3時間50分かかりましたからねぇ。
入換用のDE10形ディーゼル機関車。本物だよ~。
所属機関区を示す札の「森」は架空かな?
羊蹄丸の操舵室。
建造年の古い宗谷と比べると、大分近代化されてますね。
日もすっかり暮れて、間もなく閉館の時刻です。幸か不幸か、羊蹄丸は見学できる場所が
限られていたので、何とか全部見て回ることが出来ました。
ちなみに、青森港の八甲田丸は機関室から操車場(貨車を積載するスペース)まで、ほと
んどの場所が見学可能なので、見学は半日がかりでした。
(昨年見学。あ、レポ未完成だ。(ばき))
夕暮れの船の科学館。
これは戦艦陸奥の主砲の砲身。
なんと、射程距離は40km! 素朴な疑問。ホントに40km先の目標物に命中するのかな?
船の科学館の前方に周って全景をパチリ。でか過ぎて全部入り切りません・・・(ばき)
「37年間ありがとうございました」の横断幕が掲げられていました。
ところで、本館入口前にあったMARINE SHOPでは、模型、キーホルダーなどの土産物の
他、館内展示物に関する書籍も販売していました。その中で、この「資料ガイド12 船の
科学館」は、船の科学館の歴史について詳しく書かれていて興味深いです。
そして、羊蹄丸。これは鉄としては外せません。この2冊は、即お買い上げ~でした。
子供のみならず、大人が見ても十分楽しめ、学べる船の科学館。こんなにおもしろかった
んだ~と改めて実感。歴史的、技術的価値のある展示物の数々はとても貴重です。
絶対にリニューアルを果たして、公開を再開して欲しいです。いつの日にか。
おしまい
平成23年9月30日 (記)

さようなら、船の科学館② からの続き。

続いては、タイタニック号の進水100周年を記念した特別展「タイタニック号展」
タイタニック号の設計図や、館内の豪華客室の再現など、貴重な展示がありましたが、
ここは撮影禁止なので写真はナシ。禁止の表示に気づかず、撮りまくってる人が大勢
いましたが・・・(ばき)

nさんブログの記事にもありましたが、船の科学館内には東京湾の港内交通管制室が
設置されています。子供の頃に来た時にも、この施設あったのかな?

管制信号の意味。

東京港内の信号所は7箇所あるそうです。

13号地というのは、この一帯の住所が確定する前の埋立地の名称。
長いこと「13号埋立地」と呼ばれていました。(住所がなかなか画定しなかったのは、
ご多分にもれず周辺自治体同士の縄張り争いがあったため)

道路交通情報センターの情報パネルみたいです。

さて、続いては・・・ これは一体なんでしょう?

船のラジコンです!

さんふらわあもあるよ。

中にはこんなものも。(笑) どくろマークが付いている~(笑)

プールも屋内にあると思ってたけど、実は外にあったんだなぁ。
子供の頃、うまく操縦できなくて悔しかったけど、大人になっても難しかった~(^^ゞ
はい、しっかり100円投入して楽しみました。

ラジコンプールの隣のデッキからはレインボーブリッジと東京タワーがよく見えます。

さて、屋内展示に戻ります。ここからは日本の船と海運の歴史。

ペリーの乗ってきた黒船。外輪船ですね。

船の科学館公開休止にちなんだ特別展。船の科学館の歴史を振り返ります。

まず最初に掲げられていたのはこの挨拶。そこには「リニューアルを果たし、再び皆様を
お迎えできるよう・・・」とあります。つまり閉館では無いということ? 必ずリニューアルを
果たして欲しいと切に願います。

そして、今明かされる船の科学館開館秘話!?

計画段階の途中で舞い込んだ豪華客船クイーンエリザベス号の売却情報。これはまたと
ないチャンスということで、計画を変更し、クイーンエリザベス号を購入して展示施設に加
える方針に。しかしながら、その矢先、国際収支の悪化から、「日本は外貨を確保する必
要があるので、計画を断念して欲しい。」と、時の運輸大臣から要請があり、この壮大な
計画は、夢と化したのだそうです。(船の科学館の建設主体は、購入する予算を持ってい
たのに・・・)
クイーンエリザベス号は、その後、香港の海運王に買い取られ、海上大学船として活躍
することに。しかし、その改装工事が施されている最中、大火災が発生して転覆・全損して
しまったそうです。もしも、船の科学館の展示施設として買い取られいたら・・・残念ですね。

クイーンエリザベス号展示の夢が絶たれたあと、この博物館の名称を「船の科学館」とする
ことが正式に決定、建物の外観は船をイメージしたものとする方向で計画をすすめることに
なりました。つまり、「船の科学館」という名称は最初から決まっていたわけではなく、途中で
決まったそうです。(最初は「海事博物館」と称していたそうです)

骨格が組み上がってきた船の科学館。

完成間近の船の科学館。周りにはまだぬかるみも見られます。

南極観測船宗谷の展示に関して、タロ、ジロ。これ、本物の剥製!?(違うよね(^_^;))

宇宙博、見に行ったなぁ。(年齢がわかるね)

三角形のパビリオンは、アポロの指令船を模したもの。

そうそう、アポロ計画のサターン5型ロケットの展示が話題でした。他にも、月の石の展示
もあり、大人気だったなぁ。

最後に、メッセージを記入・投函するコーナーがありました。

書かれたメッセージはこのポストカプセルに入れて保管されるそうです。
リニューアルオーオープンのときに開けるのかな? それとも開館○○周年のとき?

せっかくなので、館内のレストランで食事しようと思ったら、「本日の営業は終了しました」
15:30まででした・・・残念。

続いては、操船シミュレーションコーナー。以前、どこかで似たようなものをやったこと
ありますが、船の操船でと~っても難しかったです。

昔の船の速度の測り方。なるほどね~。考えた人、頭イイね。

かつて使われていた無線通信機器。このへんのことはnさんブログに詳しく書かれている
ので省略。

モールス信号は12年前の平成11年(1999)、お役ご免に。

展望デッキからみた旧青函連絡船羊蹄丸。本館を見終わったあと、見学します。

船の交通管制信号。わかりづらいですが、“F”と点滅中。

“F”の点滅は「5000トン以上の船舶は入出港禁止、その他は入出航可」。
(@東京港東航路。西航路は25000トン以上)

船の科学館の操舵室。本物の船じゃないけど、ここまでこだわっています。

操舵室から見た眺め。本物の船みたい。

夕日モードで。

海の神様かな。

こんな情報も。汐の満ち干は船らしい情報。
この日の日没は17:29。すっかり、日も短くなりました。

やっぱり気になる本物のレーダー。レインボーブリッジ(右側にある“9の字”状の陰影)
がくっきりと表示されています。

操舵室横のデッキからの眺め。 下の芝生の部分、以前はプールだったそうです。

手前の緑はお台場に隣接した潮風公園。

さて、このあとはいよいよ展望台へと向かいます。
さらに続く。
平成23年9月30日 (記)

さようなら、船の科学館① からの続き。
続いての展示もなかなか興味深いもの。
「アクアビジョン」といって、いろいろな状態の地球を表現することが出来ます。
これは6500万年前の地球。南アメリカ大陸に大きな亀裂が!
地殻変動で太平洋側の半島が東(写真右方向)へ動いて陸続きになり、さらに盛り上がって
アンデス山脈になったのかな!?
同じく6500万年前のユーラシア大陸付近。
日本列島は、なんとな~く形成されつつある!?
6500万年前、インド半島は独立した島。まだアジア大陸につながっていません。
その後アジア大陸に衝突し、その衝撃でヒマラヤ山脈が形成されます。
これは普通の地球の様子。
雲の無い地球。
雲も海も無い地球。
続いては、船と物流を紹介するコーナー。これはコンテナ船の模型。
オイルタンカー出光丸の模型。
昔、出光石油のことを「でびかるせきゆ」と言ってる奴がいたとか、いないとか!?
クレーンの付いたコンテナ船。こんなのあるんだ!?
なるほどねぇ~
全国各地のフェリーを紹介するコーナー。
これは有名なさんふらわー。 昔は東京~宮崎かんでも運行していたけど、いつの間にか
無くなってしまったなぁ。
このデザインは鮮烈なイメージでした。 フェリーと言えば「さんふらわー」と言っても過言
では無いくらい、フェリーの代名詞的存在。
空気の力で浮上、航行するホーバークラフト。(ホバークラフトという言い方と、どっちが
正しいの?) 昔、国鉄の宇高連絡船でも活躍していたなぁ。
閑話休題。ゆりかもめ開通間もない頃。(平成7年頃) ホント、なぁ~んにも無かったねぇ。
ゆりかもめも、空気を運ぶだけと揶揄され、挙句の果てには赤字が膨らむ前に廃止した
ほうがいいのでは?という「安楽死」推進意見も。
数年前から展示されるようになった「わが国の海が直面する問題」のコーナー。
竹島、尖閣諸島問題について。
排他的経済水域と公海の境界。太平洋側は画定しているけど、日本海側は全く画定して
ないじゃん! このままでいいのか? 日本政府は一体何をしてるんだろうね。
海の安全を守る海上保安庁。
海の事件・事故は、118番へ。
かつてはモールス信号が担っていた海の通信。今では通信衛星を使ったシステムに
取って代わられました。
そして圧巻の展示物のひとつ、歴代軍艦の1/700スケールの模型。
一番上が戦艦大和。他の戦艦と比べると、いかに大きいか。
世界最大と言われるその大きさがよくわかります。
う~ん、素晴らしい!
戦艦大和の概略。
全長244m。JR中央線などの10両編成の電車(200m)よりも長いんです。
12両編成(240m)だとしてもまだ足りない! やっぱりデカイねぇ~。
そして、迫力の1/50スケール模型。迫力~
主砲と艦橋。
ものすごく、リアル。
戦艦三笠。
横須賀に展示してあるそうですが、まだ見学したことはないなぁ。
こちらにも戦艦の模型の数々。
続いては潜水艦コーナー。
潜望鏡を覗くと、潜望鏡から見た海上の様子が再現されています。
公開休止を前に、メッセージを募集していました。
寄せられたメッセージの一部はこのように展示してありました。
絵馬じゃないけど、最初で最後のおもしろメッセージシリーズ。
これは一体なんと書いてあるのだろう!?(笑) ヘ? ト? 謎です。
といったわけで、まだまだ続くよ~ (^o^)
平成23年9月30日 (記)

今や各種商業施設やオフィスビル、テレビ局などが立ち並ぶ東京臨海副都心。
それらが出来るはるか昔、まだ更地どころかぬかるみだらけでまともな土地すら無かった
時代に登場以来、今日まで臨海地域のシンボルとして親しまれてきた船の科学館が、
今日9月30日を以って公開を休止するとのこと。
子供の頃、一度だけしか行ったことが無く、貴重な資料・展示物の数々をもう一度見ておき
たいと思い訪れました。
船の科学館へは、ゆりかもめの船の科学館前駅が最寄り。でも、天気がいいので、
りんかい線の東京テレポート駅から歩いて行きます。前方に見える高い塔が船の科学館
の展望台です。
思えば平成7年(1995)に、このゆりかもめが開通するまでは、船の科学館へは地下鉄
東西線の門前仲町駅、もしくはJR品川駅などからバスしか公共交通機関がありません
でした。
もはや説明するまでもありませんが、船の科学館は建物全体が船の形をしています。
「船の科学館なんだから当たり前じゃん」と思いがちですが、この形になったいきさつを
今回訪れて初めて知りました。詳しくは後述。
ちなみに、ぱっと見、こちらが船首のようですが、実は船尾です。船の科学館は東京港の
海に向かって建っているのです。
船の科学館入口前に隣接した“MARINE SHOP” いわゆるお土産屋さんです。
科学館の入口脇に建つ「建設の目的」の碑。
本館展示場の入口。平日というのに、結構な賑わい。ひっきりなしに見学者がやってきます。
入館料は通常700円ですが、7/20~9/30まで、破格の200円でした。しかも、南極観測船
宗谷と青函連絡船羊蹄丸の見学も含めて!
通常の入館料も、なんと良心的な価格だったんだろう。きょうび、この手の博物館って
1000円くらい徴収するところがザラ。しかも、屋外展示物なんかがあると、それは別料金
だったりすることが多く、追加で500円くらいなんてこともよくある話。
館内へ入ると、まずはこの帆船がお出迎え。最初の展示で船の歴史を学べます。
これは紀元前2世紀ころの木船(復元模型)だそうです。
1998年に発見されたものだから、子供の頃来た時は当然ありませんでした。
これは紀元前5世紀ごろの帆船。
船って、そんな大昔からあったんだぁ~、と妙に関心。
途中は一気に端折って19世紀。蒸気による動力機関が搭載されても、まだスクリューの
技術は無く、このような外輪船が主流の時代。
されに時代は飛んで、これは日本の原子力船「むつ」。試験航行中に放射線漏れが発覚
して、長らくお蔵入り。平成の時代にちょこっと試験を再開したのち、引退しました。
続いては造船所のしくみ。パネルと模型による説明です。
船の建造に使われる鉄板の説明。 普通、これだけで終わってしまうのですが・・・
このように実物が展示してあるのでわかりやすいです。
これは実物大の船底のブロック。
船が水に浮かぶ原理の説明。
図が描かれていて、わかりやすく説明はしてありますが、それでも理系じゃないとなかなか
直感的に理解しづらいもの。
ここでこんな模型が。左の鉄の塊と、右の器は同じ重さです。天秤が釣り合っているので
当たり前ですね。
ところが、水に入れると鉄の塊は沈みます。鉄の比重(水と比べたときの重さ)は水より
重いので、当然沈みます。しかし、同じ重さの右の器は、押しのけた水の量(=重さ)と同じ
分の浮力(水に浮く方向の力)を受けるので、相対的に比重が軽くなり、水に浮かびます。
これが、鉄の塊で出来た船が水に浮かぶ理由。良い子のみんな、わかったかな?(^o^)
これは船の形による水の抵抗を学べる展示。
細い船体と幅の広い船体でどれだけ水の抵抗が違うかが棒グラフで表示されています。
もちろん、幅の広い船体のほうが抵抗が大きいです。
・一番上のグラフは速度
・真ん中のグラフは細い船体の抵抗
・一番下のグラフは幅広船体の抵抗
船の模型の前に取り付けたカメラで、抵抗の違いによって生じる波の出来方の差も見る
ことが出来ます。
これは国産初の船舶用ディーゼルエンジンの実験機。船の科学館
の展示物の目玉でもあり、最も大きい展示物でもあります。
このエンジン、船の科学館が完成するよりも先にここに設置された
そうです。あまりにも大きすぎるので、建物が出来てからでは搬入
出来ないからです。ということは、建物を壊さない限り、ここから出す
ことも出来ないわけですね。
これは船舶用ガスタービンエンジン。
航空機ではよく用いられるガスタービンエンジンですが、船舶用としてはメリットが少なく、
あまり使われることは無いそうです。
年々巨大化する石油タンカーの歴史。
ここからは未来の船舶技術が紹介されています。
時速100km/h近い速度で航行できる、夢の船舶です。
こちらは超電導技術を用いた船舶。超電導技術といえば、リニアモーターカーが有名です。
どちらが先に実用化されるかな。
理系の人にはお馴染み、フラミンゴの法則。1本足で立つ、ピンク色の美しい鳥です。
って、そーでなくって・・・フレミングの左手の法則。どの方向が、どの力か、覚えるのに
長い指から順に、電・磁・力、って暗唱したなぁ。
地階の展示コーナーは海中施設などの紹介。
潜水用具などもあります。
潜水用具ひとつ取っても、いろんな歴史があるのねん。
いろ~んな展示がとっても楽しい、船の科学館。まだまだ続きます。
平成23年9月30日 (記)